令和8年度 企業主導型保育事業の変更点|積立資産の見直し
【積立資産の見直し】

この記事でわかること
- ・積立資産の新しい上限ルール(累計30%・単年度5%)
- ・積立費目の変更と旧「施設・設備整備積立」の扱い
- ・令和8年度以降に園が実施すべき3つの具体的な対策
令和8年度より、企業主導型保育事業において全14項目が変更になりますが、
例年以上にボリュームがあり、かつ、園の運営・収支に直接影響する内容が多く含まれています。
本記事では、その中でも特に影響の大きい「積立資産の見直し」について解説します。
■ 令和8年度変更点の全体像
本題に入る前に、今回の変更点を整理します。
令和8年度の14項目の変更点は以下の4つの観点で理解しやすいよう整理します。
- 人:職員配置・処遇改善・加算制度
- お金:単価改定・賃金・積立制度
- 運営:定員変更・転用・廃止対応
- 支援:新設加算・臨時措置
もちろん、すべてお金に係ることですが、加えて人や運営、単純な支援といった形で整理することで数多い変更点を理解しやすくなります。
変更点の内容は、下記よりご確認ください!
令和8年度における企業主導型保育事業の変更点(こども家庭庁)
■ 積立資産の見直し
令和8年度の変更点の中で、重要点のひとつが「積立資産の運用見直し」です。
今回の主な見直し点は以下の3つです。
| 項目 | 変更内容 | 影響度 |
|---|---|---|
| 上限設定 | 累計上限30%・単年度上限5%の設定 | 高 |
| 費目再編 | 4項目から3項目へ(保育所施設・設備整備積立の廃止) | 中 |
| 費目管理廃止 | 費目ごとの管理を廃止し柔軟運用へ | 高 |
① 積立額の上限や限度額設定(累計・単年度)
- 累計上限:前年の助成決定額の30%
- 単年度上限:当年度の助成決定額の5%
※上限・限度額に関するルールは、園の財務運営に直接影響するため、必ず早期に確認・対応してください。
これまで上限がなかった積立資産に対し、明確な制限が設けられます。
単年度上限を考えるにあたり、まず既に累計が上限超過している施設は下回るまで1円も積立できません。
また、助成額が前年度より増額した場合は、単年度だけではなく累計上限も超過する可能性が高くなるため注意が必要です。
なお、令和7年度までの積立資産額が累計上限超過している施設は、令和12年度末までの猶予期間が設けられています。
助成金増額し超過する代表的なケース
- ●週開所日や時間の変更(週6⇒7 / 11時間⇒13等)
- ●新事業の取扱い(病児保育や一時預かり事業)
- ●定員変更(主に増員)
② 積立費目の再編(4項目 → 3項目)
- ・人件費積立
- ・備品等購入積立
- ・修繕積立
これまで4項⽬で管理されていた積立資産を、保育運営で必要となされる3つの費⽬に整理されます。
病児保育事業や⼀時預かり事業等への工事費として検討していた施設は「保育所施設・設備整備積立」の廃止は痛⼿です。
建物の拡充や設備整備等を検討されている施設の皆さまは、令和12年度までに取り崩す条件になりますが、令和7年度の年度完了報告で積立ください、最後のチャンスです。
なお、今後は限られますが、別途、⾃治体補助や他制度の整備補助で対応できる仕組みも情報収集・ご検討ください。
③ 費目ごとの管理廃止(柔軟運用へ)
今回の見直し項目の中で唯一の良いニュースです。
従来は費目ごとの管理が必要で、一度積立した費目以外に取り崩すことはNGでしたが、今後は累計上限の範囲内で柔軟な運用が可能になります。
例えば、台風などの災害により施設修繕が必要になった。現在の積立は、人件費積立しか計上していない。
今回の費目ごとの管理廃止は、このような事象も対応できるようになり、人件費積立分を取り崩し、修繕積立として活用できます。
今後は、累計上限の範囲内であれば、積立資金の使途調整が容易となり、財務運営の自由度が大きく向上します。
※令和7年度までの積立分は原則として従来ルールに基づく管理になります。
■ 令和8年度以降のやるべきこと
既に令和8年度を迎え運用見直しがスタートしております。
見直しにあたり下記3つを実施・対策ください。
- ●積立資産の現状把握(限度額・上限額)
- ●助成金収入と対象支出のチェック
- ●積立計画の再構築
まずは、現状を把握しましょう。
本日の7月1日時点では令和7年度の年度完了報告を無事申請した状況と存じます。
令和7年度の積立資産の計上・取り崩し状況を踏まえ、令和8年度時点の積立資産の現状を理解し、単年度上限額と累計限度額を把握してください。
次に、令和8年度の助成金収入と支出を照合し月別積立可能額を月次で実施していきましょう
月次単位が難しい際は、四半期単位でチェックできるよう管理ください。
年度末付近での確認は対策が難しくなり、「単年度上限を大幅に超過」「累計限度額を超過」の原因になります。
作成中の積立計画と照合し、定期的な取組みをオススメいたします。
※実施方法や対策にお困りの際はENBIで的確にアドバイスいたします♪
■ よくあるご質問(FAQ)
Q. 上限を超過している場合、猶予期間はありますか?
A. 令和12年度末までの猶予期間が設けられており、その間に上限内へ調整が必要です。
Q. 上限超過状態でも積立は可能ですか?
A. 上限額を下回るまでは、新たな積立はできません。
Q. 令和7年度までの積立資産はどう扱われますか?
A. 原則として従来の運用ルールに基づき、同一資産区分で取り崩しを行います。
Q. 旧「施設・設備整備積立」の資産はどうなりますか?
A. 廃止後も既存分は従来ルールで管理・取り崩しを行います。
Q. 上限超過分は最終的にどうなりますか?
A. 猶予期間内に解消されない場合、年度報告時に返還対象となります。
Q. 助成決定額はどの時点の金額で判断されますか?
A. 年度内の最終(通常は第3回)助成決定額変更申請の金額が基準となります。
Q. 単年度上限(5%)も同様ですか?
A. はい、こちらも最終的な助成決定額を基準に算定されます。
■ 今後の解説について
次回は「処遇改善制度の一本化」について詳しく解説予定です。
■ 参考情報
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各園の状況に合わせた実務的な対応策をご提案いたします。
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