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令和8年度 企業主導型保育事業の変更点|定員区分の細分化

【定員区分の細分化】

シリーズ|令和8年度 企業主導型保育事業の変更点

第3回|定員区分の細分化と「定員変更」で運営費が変わるケース

第1回では積立資産の見直し、第2回では処遇改善等加算の一本化を取り上げました。

第3回は、定員区分の細分化と、関連する定員変更(定員の増減)について解説します。

1. 背景(なぜ変わるのか)|認可保育所等では令和7年度から細分化済み

人口減少地域における保育等の機能の維持や確保、定員区分と利用子ども数の乖離の縮小を目的に、令和7年度に認可保育所等では定員60人以下の区分が5人刻みに細分化となりました。

認可保育所における定員区分の細分化(令和7年度)
旧区分(令和7年度まで) 新区分(令和8年度以降)
20人 20人
21~30人 21~25人
26~30人
31~40人 31~35人
36~40人
41~50人 41~45人
46~50人
51~60人 51~55人
56~60人

※こども家庭庁「令和7年度の利用定員の設定について(教育・保育部会)令和7年7月30日」より引用

2. 事実(何が変わるのか)|企業主導型保育園は令和8年度から細分化

企業主導型保育事業は認可保育所等の単価体系を毎年度参照し改定されたことを受け、企業主導型保育園も制度整合性の観点から令和8年度より定員区分が見直されます。

企業主導型保育事業における定員区分の細分化(令和8年度)
旧区分(令和7年度まで) 新区分(令和8年度以降)
6~12人 6~12人
13~19人 13~19人
20~30人 20~25人
26~30人
31~40人 31~35人
36~40人
41~50人 41~45人
46~50人
51~60人 51~55人
56~60人
61人~ 61人~

※児童育成協会「企業主導型保育事業等の実施についての一部改正について 令和8年6月19日掲載」より引用。

3. 経営(インパクト)|運営費がどう変わるか

定員区分の細分化は、「単価が上がる/下がる」という単純な話ではなく、令和7年度との比較と、自園の定員と実際の園児数(充足率)を踏まえて判断する必要があります。

3-1. 区分境界を跨がない施設:純粋に基本分単価が微増

令和7年度と令和8年度で、同じ定員区分にとどまる施設は基本的に単価が微増します。

比較|区分境界を跨がない場合 ※20/100地域・11時間開所・週6日開所・保育士比率100%・乳児のケース
項目 令和7年度 令和8年度
区分 13~19人 13~19人(変更なし)
園児数 17人 17人
基本分単価 306,790円 319,380円(+4.1%)
区分が変わらない施設は、単価改定分により増額

3-2. 区分境界を跨ぐ施設:まずR7→R8の変化を確認

20名以上の施設は、5人刻みの新区分により自園の「立ち位置」が変わります。

比較|20~30人区分が細分化された場合 ※20/100地域・11時間開所・週6日開所・保育士比率100%・乳児のケース
項目 令和7年度 令和8年度
定員 30人 30人
区分 20~30人 26~30人
基本分単価 299,500円 312,840円(+4.5%)
新区分でどの位置に属するかを確認し、他区分との単価差を比較することが重要です

3-3. 充足率が低い園は「定員変更」で増収の可能性

定員に対して実際の園児数(充足率)が低い園では、実力値に合わせて定員を見直すことで、結果的に助成金収入が増えるケースがあります。

シミュレーション|定員を下げた場合 ※20/100地域・11時間開所・週6日開所・保育士比率100%・乳児5人・1-2歳児17人
項目 現状 定員変更後
定員 30人 24人
区分 20~30人 20~24人
園児数 22人 22人
基本分単価(乳児) 299,500円 316,170円(+5.6%)
基本分単価(1-2歳児) 199,770円 211,680円(+5.9%)
基本分合計 4,893,590円 5,179,410円(+285,820円/月)
充足率 73.3% 91.6%
定員を下げることで区分単価がさらに上がり増収、充足率も上がります

充足数が現区分以下であれば、定員を下げた方が単価が上がり運営費が増えました。
減員が戦略になる場合もあるのがポイントです。

逆に、充足率が高く、増員余地がある園においても、定員区分を1つ上げても、これまでの様な単価が下がることなく運営費が増えます。


「令和7年度との比較」→「新区分での立ち位置」→「定員変更後のシミュレーション」

の3ステップで検討することが重要です。

4. 判断(どう動くべきか)|まずは「過去の園児数」からシミュレーションを

定員区分の細分化と定員変更の影響を正しく把握するためには、過去数年分の園児数の推移を整理することが重要です。

  • ・過去の月次園児数(年齢別)を一覧化する
  • ・定員に対する充足率を算出する
  • ・令和7年度単価/令和8年度単価で比較する
  • ・定員を増減した場合のシミュレーションを行う

ENBIでは、こうしたデータをもとに、「定員変更をした方が良いか/現状維持が良いか」を含めたシミュレーションを行っています。

定員区分の細分化・定員変更のシミュレーションはENBIへご相談ください

「うちの園は定員を増やした方が良いのか、減らした方が良いのか」など、個別の状況に応じたシミュレーションが必要な場合は、ENBIまでお気軽にご相談ください。

5. 定員変更時の留意点

定員変更は、単価や収入に大きな影響を与える一方で、制度上の制約・ルールがあります。

定員変更の主なルール
減員のルール
・令和8年4月の在籍児童数以下への減員は不可
・直近の在籍児童数を下回る場合、児童の転園先を確保すること
増員のルール
・従業員枠の年間平均充足率が50%超
・面積基準や保育従事者数の確保
共通ルールや留意点
・定員変更後、原則3年間は再変更不可
・自治体への事前相談
・事前に変更後の図面作成
・前年度の全施設の減員総数が増員総数の上限

※詳細は「令和8年度における企業主導型保育事業の変更点等について(続報)」および関連別添資料をご確認ください。

6. まとめ|「細分化」だけでなく「定員戦略」の見直しが本丸

定員区分の細分化は、基本分単価の変更にとどまらず、園自体の定員戦略を見直すきっかけになります。また、減員時は空きスペースの活用も重要です。

令和7年度との比較、新区分での立ち位置、定員と充足率の関係を踏まえたうえで、増員・減員・現状維持、どの選択が最適なのかを検討することが重要です。

まずは過去の園児数を洗い出してシミュレーションする。その伴走役として、ENBIをご活用いただければ幸いです。

次回は、定員変更と連動する「新たな制度への対応(一部転用)」について解説予定です。

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